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脂質はリポたんぱくの形で血液中に存在する
コレステロールや中性脂肪は血液に溶けないので、血液中では一種の
たんぱく質と結びつき「リポたんぱく」と呼ばれる粒子として体内を循環しています。
リポたんぱくは組成や比重の違いにより5種類に分けられる
リポたんぱくは血液にもなじむので、肝臓で合成されるコレステロールや中性脂肪、
また小腸で吸収される脂質を血液の循環により、筋肉や脂肪組織などの細胞に
運ぶ重要な役割を果たします。リポたんぱくは、次のように5種類に分類されます。
@カイロミクロン
脂質のなかで最も比重が低いリポたんぱく。約85%が中性脂肪。
小腸で合成され、血液中に入る。体内で循環する過程でリパーゼと呼ばれる酵素の
働きで、カイロミクロンの中の中性脂肪が分解され、組織に吸収されて、
エネルギー源として活用される。
A超低比重リポたんぱく(VLDL)
中性脂肪が全体の半分以上を占めるリポたんぱく。肝臓で合成されて血液中に
入り全身をめぐる。中性脂肪の分解が進むと相対的にコレステロール含量が多く、
比重も高くなり、最終的にはLDLに変化していく。酵素の働きによって代謝され、
VLDL中の中性脂肪が分解されて組織に供給され、エネルギー源になる。
B低比重リポたんぱく(LDL)
VLDLの中性脂肪分解が進んだもの。中性脂肪含量が少なくなる結果、
相対的にコレステロール含量が多くなり、比重も重く、粒子サイズも小さくなる。
LDL中のコレステロール含量は約45%に達する。少量の中性脂肪、
リン脂質も含まれる。血液によって体内を循環し、細胞膜を構成したりホルモンを
つくる材料を提供する。余ったものは肝臓に戻され再利用されるが、
供給過剰になって血液中に増えると血管内に沈着し、動脈硬化の原因になるので
“悪玉”と呼ばれる。
C中間比重リポたんぱく(IDL)
VLDLから中性脂肪が分解され、LDLが形成される中間過程にあるリポたんぱく。
D高比重リポたんぱく(HDL)
たんぱく質が50%以上を占めるリポたんぱく。血液中に入り、全身をめぐる過程で、
細胞にある余分な資質や血管内のコレステロールを回収して肝臓に戻す。
また、血管壁などに蓄積したコレステロールを除去する作用もあるので“善玉”と呼ばれる。
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